【コラム】近未来の自動車エネルギー

LPガス事業者向け)                    202221

         近未来の自動車エネルギー

 20211113日グラスゴーにてCOP26が開催され温暖化に対する施策が討議されました。しかし、具体的かつ実効可能で有意義な決議はなされませんでした。日本は原発の再稼働を主軸とし、再エネの拡大、アンモニア混焼発電などを提言しました。*1 https://scienceportal.jst.go.jp/wp-content/uploads/20211028_e01_01.jpg/http://www.env.go.jp/earth/COP26%E7%B5%90%E6%9E%9C%E6%A6%82%E8%A6%81.pdfまた、自動車業界に対しては、EVシフトが提唱されています。それではガス事業者のこれからの車両の配備計画と展開はどのように進めていくべきでしょうか。

-1.EVシフトは時期尚早

皆様の周りで、EV車を購入された方がどれほどいらっしゃいますでしょうか?車両価格と充電設備費が、ガソリン車やLPガス車の準備費用と比較し、ほぼ同等であったとしても、今現在EVシフトは、CO2の総排出量を大幅に増やしてしまいます。その原因は、充電する電気の80%近くを化石燃料に頼る発電方法(*2日本の発電 「日本が抱えているエネルギーの問題」2ページhttps://www.enecho.meti.go.jp/about/special/shared/pdf/energy_in_japan_for_school_2.pdf)(図1)と大量の電力利用で作られる原材料を使う電池にあり、これらの製造に膨大な化石燃料発電の電気を使っているためです。

この解決に、現在、コスト的・技術的に実現可能な方法は太陽光や風力では力不足で原子力発電所の再稼働と更なる増設と結論付けられています。3 太陽光発電と風力発電の特徴 日本が抱えているエネルギーの問題」8ページ https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/shared/pdf/energy_in_japan_for_school_2.pdf

そもそも2005年ごろにEV化の議論がありましたが、それらは2030年には国内の総発電量の50%以上が原子力になるという前提の下、論じられていたことです。しかし、原発の再稼働は順調に実現してはいないように思えます。4 原発の再稼働 「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」 48ページhttps://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/opinion/data/03.pdf今後、EV車の台数が急激に増加するとそれに充電するための電気も現状の20~30%増しの電力量が必要になります。

確かに「脱炭素」と言う現代の合言葉が「原子力発電拡大」の「免罪符」になり原発の再稼働や増設に弾みが付くのかも知れません。ですが再エネ発電の供給が追い付かず、火力発電への投資が減少し原発再稼働も難しい今、EV車を導入するのは時期尚早ではないでしょうか。発電量の増大と同期して増やすべきです。

 また、EV車は実用面では寒冷地に弱くルームヒーターによる電気の消耗が早く、北陸や豪雪地域での長時間大渋滞では車列の中に数台EV車がいただけで凍死者や車両放棄などが発生し渋滞解消に多大な時間がかかるようになります。充電設備的にもマンション・賃貸駐車場など都市のごく一部でしか進まないと言われています。

 

 -2.自動車のCO2削減はハイブリッド車が本命

電気自動車に充電する電気の約75%が化石燃料由来で、EV車は、走行中に単にCO2を排出していないと言うだけのことです。(図2)

現実的にはプリウスのようなハイブリッド車は同一排気量のガソリン車に対しCO2は55%も少なく、化石燃料75%で発電した電気を充電するEV車(再エネ発電率25%)に対し大幅に削減出来ています。(図3)(この比較にはEV車の電池の製造・送電・変電・充電などでのCO2排出やロスがありますが考慮していません。)

更に、こういった電気ガソリンのハイブリッド車にLPガスの装置を取付けた

「トリプルハイブリッド車」はCO2削減・燃費などに加え災害適応能力も兼ね備えた車両と言う位置付けになります。

 

 

-3.ガス事業者のこれからの車両の配備計画と展開

発電方法が原発なのか火力継続なのか、未だ、化石燃料に取って代わる決定的な再エネ実用発電所はありません。更に、国民も自家用車・社有車に電気自動車を導入することに積極的とは思えず、それどころか、導入した運送会社での失敗例はよく耳にします。

 災害時、ライフライン確保・提供のため出動しなければならないガス事業者の保有車両はガス車であることが望ましいはず。なぜなら災害時(地震・台風・津波・豪雪・・・等)長期の停電が起こりうることは言うまでもありません。充電不能などEV車では困難な状況も発生するでしょう。また車両のガス化で同時に達成できる燃料費の削減もまた見逃せないところです。

◆次回配信予定 順次公開していきますのでぜひHPにてご高覧ください。

   水素燃料電池車MIRAI

   太陽光・風力発電 ~実際の発電可能量は?~

③究極の選択~温暖化or核廃棄物 未来のこどもたちに残すものは?